「この事例は旧鑑定方式です」
ご相談内容
■お名前:恵子様(仮名)
■年齢:30代前半
■性別:女性
【状況説明】(ご相談内容)
門次郎様
今回、私の家族のことをお伺いしたいと思いました。
父は、根本には深い愛情を持っているように感じるのですが、自分の気に入らない意見は認めず全否定する人でした。自分が尊重されていないように感じると頭に血が上るらしく、しつけと称し感情的に子供に手をあげていました。
エリート意識が非常に高く、
「〇〇大学と××大学以外は行くな。」
「勉強の調子はどうだ。」
「今頃みんな必死になって勉強しているんだぞ。」
など、顔を合わせれば威圧的な発言をしてました。
「合格した中学校が中堅校だなんてかわいそうだ。」
「そんなバカなことをしてるから一流中学校に落ちるんだ。」
など、人として言ってはいけないことも言っていました。
そのため、私は父と対面すると「今度はどんな私を否定するようなことを言ってくるのか」と思うようになり、なるべく話さないようにしてきました。
年齢を重ねた今は、病の影響もあり気性の激しさは落ち着いていましたが、これまでのことから反射的に話しかけられると苛立ってしまいます。
母は気性の激しい私たち家族の中で唯一温厚で、時には家族の苛立ちを受け止め、時には癒しを与え、家族の支柱となる人でした。家庭崩壊せずやってこれたのは母のおかげですし、私も思春期にはかなり酷い言葉をかけたので、これからは少しでも恩返しをと思っています。
一方で強いものに立ち向かう力には欠けるところがあり、先述の父の暴言や振る舞いを怖くて止められなかったのを悔いているようで、「悪かった。」と言っていました。
兄はこの家に生まれてきて、本当に辛かったと思います。私は、最終的には父の望むような学歴や職歴を手にしたのですが、兄はそうではありませんでした。
先述のような父ですから、私とも比べられ常に家庭の中で無価値感を感じていたと思います。思春期の頃は私に対しても「バカブタ死ね!」と毎日のように罵っていました。私も兄を見下し、憎むようになってしまいました。今は兄も私もお互いを比べることはなくそれぞれの人生を送っていますが、いまだ互いの目を見て話すこともできません。
家族でも人間として相性が良いとも限らないし、不必要に干渉することはないが、このコミュニケーション不全の家庭のまま皆歳を重ねて終わっていいものだろうかとも思います。
私たちが家族として生まれてきた意味は何でしょうか?
今後家族のあり方を考える上で参考にしたいと考えています。
【ご質問】
お母様がお父様と結婚した意味、子供とご縁ができた意味
お父様がお母様と結婚した意味、子供とご縁ができた意味
お兄様がご両親を選んだ意味、恵子様を妹とした意味
恵子様がご両親を選んだ意味、お兄様を兄とした意味
鑑定結果
お母様がお父様と結婚した意味、子供とご縁ができた意味
お母様がおっしゃった「悪かった」の言葉に、すべてが込められています。
▶お父様と結婚した意味
結論から申し上げますと…
お母様はもとから「強い口調をする人に怖くて立ち向かえない弱さ」を持っており、その部分を少しでも克服する意味もあって、お父様とご結婚をされたのだと思います。
昔のお写真を拝見しますと、もともとお父様は強い口調をする方ではなかったと考えられ、初めは優しくて温厚な人だったからお母様はお父様を結婚相手として選んだのだと思います。(もし、初めからお父様が強い口調をする人だと分かっていたら、結婚はしていなかったでしょう。)
しかし、結婚をしてお父様の性格が大きく変わった…。
お母様からすれば「こんなはずではなかった」と思ったかもしれません。ですが、結婚後にお父様が変わったのは、お母様自身の「恐怖に負けてしまう弱さを少しでも克服するために導かれた結果」でもあります。
つまり、結婚後にお父様が変わったことで、強制的に「恐怖に負けてしまう弱さを克服する課題へと向き合う事になった」ということです。
▶お子様を授かった意味
子供がいなければ直ぐに別れられますが、お兄様や恵子様を授かり、簡単には別れられない状況がプラスされ、更に「弱さを克服するための状況」へと導かれていきました。
しかし、弱さを克復するというのは簡単なことではありません。自分だけが苦しむなら我慢すれば済む話ですが、大切が我が子が罵られて平然といられる母親はいません。
最初のうちは恐怖心が勝り後ずさりしてしまうこともあったかもしれませんし、何もできない無力さに自分を責め続けていたこともあると思います。ですが、恐怖心(=魂の弱い部分)に打ち克つ為には、このような荒療治(=逃げられない状況で強制的に恐怖と向き合う方法)が必要不可欠になりますので、なるべくしてなったと言えます。
お母様としては本当にお辛かったと思うのですが、荒療治の結果、お子様を護るという責任感が増していき、忍耐力や我慢強さを身に付けることができた…そして、自分の弱さを知ることができたのですから、お母様は「課題としっかり向き合うことができている」と思いますよ。
今後のことにつきましては、お父様は病を患い落ち着いてきたとの事ですし、お母様の課題も落ち着いてくると思います。課題の峠は越えていると思いますので、年々恐怖心から解放され穏やかな日々が過ごせるようになると思います。
▶まとめ
お母様がお父様とご結婚をされたのは「恐怖心を克服するため」、お子様を授かったのは「強くなるため」です。もちろんこれだけではありませんが、これが大きな課題であったと考えられます。
お父様がお母様と結婚した意味、子供とご縁ができた意味
お父様は「自分の気に入らない意見は認めず全否定したり、自分が尊重されていないように感じると頭に血が上ることあった」とのこと…。
そのような態度を取られると、お子様としては恐怖心を抱くこともあったと思うのですが、お父様のきつい言動は、家族に八つ当たりをしているのではなく「愛情」が根本にあります。
ではなぜ、根本に愛情があるのにそのような言動にでるのか?
それは、お父様の生きてきた環境が大きく関係しています。
▶頭に血が上る
お父様は仕事を通じて「学歴のある人が如何に優遇されているのか」を目の当たりにしてきたのだと思います。おそらく、自分もその事が原因で、パワハラを受けていた過去があるはずです。
自分が尊重されていないように感じると頭に血が上るのは、バカにされて悔しい思いをした当時の感情がよみがえるからでしょう。そのため、自分の理解者であってほしい家族からもバカにされている気がして、感情的になるのだと思います。
▶経歴重視
お父様自身、経歴をバカにされ辛い思いをしてきたため「子供たちに同じ思いをさせたくない!一流の学校を出れば同じ苦労をせずに済む!」と考え、罵声を浴びせてきたのだと思います。
お父様も辛い状況の中、仕事を続けてこられたと思うのですが、弱音を吐かずに頑張ってきたのは「家族を養うため」という愛情が根底にあったからです。
罵声を浴びせたり、追い詰める言動でしか教えられなかったのは、お父様の未熟な点になりますが、感情的になってでも分かってほしかったのだと思います。
現に、学歴のある人たちは会社で優遇されていますよね。「子供たちには辛い思いをさせたくない」その一心で、学歴などの社会的地位に強いこだわりを持つようになった…つまり「同じ思いをさせたくないから言っているのに、どうしてお前たちは俺の言う通りにできないんだ!」そんな思いで、うるさく言ってこられたということです。
お父様はもともと気の弱いタイプですが、仕事を通じてかなり鍛えられたと思います。それは「社会に揉まれ忍耐力を身に付ける事」がお父様の課題でもあったからです。
その結果、学歴等の世間体に拘るようになったのですが、家族がいたおかげで乗り越えることができたのだと思います。
お父様にとって家族は、自分を強くしてくれる存在です。
お母様とご縁ができたのも、お母様が一歩下がってお父様を立てるタイプだからです。お母様が気の強い女性でお父様の言動を許さなかったら、大黒柱の威厳がなくなり、辛い経験を乗り越える力も湧きません。お相手がお母様のような方だからこそ、威厳やプライドが保たれ、辛い状況でも頑張ってこれたのだと思います。
▶まとめ
お父様がお母様とご結婚をされたのは「互いの課題に取り組むため」、お子様を授かったのは「強さを身に付けるため」という事になります。
お兄様がご両親を選んだ意味、恵子様を妹とした意味
「子が親や家族を選んで生まれてくる」という話を聞いたことはございますか。
スピリチュアルでは「親が子を選ぶ」のではなく「子が親を選ぶ」と言われており、お兄様も恵子様も「両親や兄妹から学びたい」という目的を持って今のご両親と家をお選びになっています。
▶ご両親を選んだ意味
特に、お父様をお選びになった事に大きな意味があります。
お兄様の昔のお写真からも分かるのですが、「人に流されず自分の意思で成功したい(自分の意思を貫く強さをもち、自分の力、自分の生き方で成功したい!)」という魂の想いが感じ取れます。
お兄様の魂は、お父様の人間性を理解した上でお生まれになっていると思います。お兄様がお生まれになった頃は、お父様も落ち着いていたかもしれませんが、お父様とお母様の課題を考慮しますと、ゆくゆくはお父様から「あれしろ、これしろ」と強く強要されるようになるのを分かっていたと考えられます。
自分の意思を貫く強さを身に付けるためにも、「あなたの好きにしなさい」という親元に生まれるのではなく、「あれしろ、これしろ」と強要する親元に生まれることで、どれだけ自分の意思を貫けるか…という課題に挑戦したかったのでしょう。
ご存知のように、強要される逆境の中で意思を貫く方が何倍も難しいと言えます。人生としてはとても苦しいものになりますが、魂の目的が「逆境の中で自分の意思を貫く事」になりますので、お兄様は強要されても、なかなか言う事を聞かなかったと思いますし、人に流されずお兄様なりの考えをもって生きてこられたのではないでしょうか。
お兄様が課題をクリアするのは、お父様の思惑通りに生きなくても成功できるという姿を見せ、学歴等の体裁を気にしなくても世間に認められる事を証明できた時です。
今どのようなお仕事をされているのか分かりませんが、逆境を乗り越える強さを身に付けられていると思いますので、立派になられているのではないでしょうか。
お父様にきつく言われ、お母様からもきつく言われていたらお兄様も耐えられませんが、お母様は優しくしてくれるので、バランスの取れた環境をお選びになっています。
▶妹様とのご縁
お兄様が生まれた時点では、恵子様は誕生していません。お兄様は「ご両親との関わりの中に大きな課題があり、ご両親をお選びになっている」という事になりますので、お兄様が恵子様を選んだというよりは「同じ両親のもとで学び合うことがあったからご縁ができた」という意味になると思います。
そのため、(ご兄妹あまり仲が良くないとのことですが)昔のお写真を見る限りでは、ちょっとしたきっかけさえあれば分かり合えると思います。恵子様は何か引け目を感じていらっしゃるのかもしれませんが、少しのきっかけで仲の良い兄妹になれると思いますよ。
恵子様がご両親を選んだ意味、お兄様を兄とした意味
最後に誕生した恵子様が一番「自分の課題に適した環境」をお選びになっているのかもしれません。
▶お母様を選んだ意味
とても大きな事柄として「正義感をもって人の為になりたい」という課題をお持ちですが、今そう思えるのは、お母様を通じて忘れていた正義感を呼び覚ましたからです。仮に、波風の立たない環境で生まれ育ったとしたら、正義感の強さに気づく事のないまま生涯を終えたかもしれません。
この世に生まれる時、記憶は消されますので「正義感を持って人の役に立ちたい」という課題も忘れています。それを思い出すために人生で様々な経験をするのですが、そこで用意されたのが、お父様とお母様の関係性です。お父様の言動に怯えるお母様を見て「立場の弱い女性が守られる世の中にしたい」と思い、正義感を呼び覚ましたのだと思います。
お母様が理不尽な言われ方をすればするほど、恵子様の中に助けたい正義感が芽生えますので、お母様もかなり理不尽な言われ方をされていたのかもしれません。逆に、お父様の方が立場の弱いご家庭にお生まれになっていたら、その感情を抱かないままだったかもしれません。
つまり、お父様とお母様との間に生まれたのは「弱い立場の女性を護りたいという正義感を呼び覚ますため」でもあります。
▶お父様を選んだ意味
学歴にうるさいお父様を選んだのも意味があります。学歴で人の価値を判断するのは良くありませんが、実際のところ、東大を卒業しているというだけで一目置かれますよね。世の中、学歴があるというだけで立派な人だと言われるのは事実です。
そんな世の中ですので、正義感を貫き、弱い立場の人を助けるには学歴も必要になります。学歴があるのとないのとでは、人の見る目が違いますし、同じ言葉を発するにしても、学歴や経歴の違いで説得力も変わります。ましてや、恵子様の目指している道は、学歴があった方が良いのは言うまでもありません。ですので、恵子様の課題をクリアするには学歴も必要だから、学歴を重視するお父様をお選びになったのだと思います。
お父様を選び、学歴を付け、恐怖に怯えるお母様を見て正義感を呼び覚ます…このような流れになります。
お兄様はお父様の言う事を聞かずに自分の意思で生きるのが課題ですが、恵子様はお父様の言う事を聞いて学歴を付けるのが課題でした。ですので、兄妹であっても正反対の課題に取り組んでいるので、違う道を歩んでいますし、分かり合えなかったのかもしれません。
ですが、もうお互い大人です。尊重し合い歩み寄る事ができると思いますので、できる事なら歩み寄る姿勢を見せても良いのではないでしょうか。お兄様も恵子様との関係を修復したいと考えていると思います。
▶お兄様を選んだ意味
お兄様を選んだのは、言う事を聞かないお兄様を見て反面教師にするためです。罵倒されるお兄様のようになりたくないという思いが芽生え、勉強する事に拍車をかけていた部分もあると思うのですがいかがでしょうか。
すべては、「正義感をもって弱きを助けられるような立派な人間になるため」にあった環境になります。
以上が鑑定結果となります。
参考になりましたら幸いです。
この度は、ご用命をいただき誠にありがとうございました。
恵子様の想いが成就されますようお祈りしております。
ご感想
夜分遅くまでありがとうございます。
母の課題は、やはり恐怖心の克服であったのですね。
父の良いところは、普通の男性ならば気恥ずかしくて言えない愛情表現を素直に伝えてくれることで、その時の父は本当に穏やかで温かく仏様のようです。私も父に憎しみを持ちながらも最後は嫌いにならずに済んだのはそのような一面のためですし、母も出会った頃はそのような父に惹かれたのかもしれません。
暴力的になる夫、荒れる子供達…母は自身の課題とよく向き合い、一生懸命に私たち家族を繋ぎ止めてくれたと思います。
父は子供に弱いところを見せなかったので、パワハラのことなどは聞いていませんが、写真の当時父の勤めていた環境から経歴で肩身の狭い思いをしていたのは想像できます。特定の国立大出身者が大半を占めかつ優遇される組織に、私大出身の父は身を置いていました。昭和や平成初期はパワハラの概念も今より薄く、労働環境も過酷な中、何があっても「男なら耐えろ」という時代だったと思います。
田舎からたった1人で上京した父が初めて大学で人間関係を作り社会に出たこと、学歴で辛い思いをしたことから「なにくそ!」と発奮し環境を変えたこと、何があっても仕事を頑張ってこれたのは家族のためだったこと…父の人生に想いを馳せると、少しづつ父を許す気持ちになれそうです。
兄はあえて逆境を選んで生まれたきたのですね。
兄は現状特筆して社会的に立派になったわけではないのですが、父や私の価値観を変え自分の存在を認めさせたという意味では成功したと思います。
彼は彼の方法で社会の中で居場所を作り友人にも恵まれ自分らしく生きていることで、人それぞれに幸せの価値観・適性があること、多様な人がそれぞれの能力や魅力を発揮するからこそ世の中は成立していることをわからせてくれました。
学歴とは「若い頃に勉強ができた」ことを示しているに過ぎず多種多様な能力や魅力に優れていることを示す指標ではないのですが、父や私は兄がいなければそんな当たり前のことにも気付くことはなく、無意味に人を見下してしまう嫌な人間のままだったかもしれません。兄とは一時は身の危険を感じるほど関係が悪化し今も警戒心がありますが、大切なことを教えてくれたことに感謝をしたいと思います。
そして私は、自身に適した環境を求め生まれてきたとのこと。
父に殴られる中、「感情的に人を殴り、相手が大人だったら傷害罪、子供だったら躾、この違いは何なのか?」という疑問が、「力の強いものが弱いものを虐げるのを許さない」という気持ちの原点の一つになりました。
父は母には暴力や暴言はなく大切にしていると思っていましたが、力関係はありました。「女性を守りたい」という気持ちは単に自分が女性だから故と感じていたのですが、深層心理では影響していたのかもしれません。
学歴のことは、少し前まで親の言うがままに人生を歩んできてしまった…という後悔がありましたが、今は「なんだ結果オーライじゃん!」と思っています(笑)
私が自身の志を果たすことで、「この家族に生まれてよかった。」と感じられれば、家族へのわだかまりも消えより良好な関係になっていけると思ったので、引き続き精進して参ります。
今回も素晴らしい鑑定結果をありがとうございました!
最後に
掲載を快諾してくださった恵子様に心より感謝申し上げます。恵子様ご家族の経験と想いが、多くの方々の元へと届きますように。