「言うべきか」「言わざるべきか」迷う事があります。
良い事は伝えても問題ありませんが、悪い事は伝えにくいものですよね。
伝えることが正しいのか、余計なことは言わないほうが良いのか迷った時、何を基準にして決めればいいのでしょう…
そんな時に基準となるのが、伝える事が相手の為になるかどうかです。
保身の為に黙っておくよりも、言う事が相手の為になるなら、言うべきです。
その理由についてお話をさせていただきます。
言うべきか言わざるべきか迷う時
相手にとって、嬉しくない真実を伝えれば、例え本当でも、余計なお世話だと言われ、険悪なムードになり嫌われたりする事もあります。
だから判断に迷いますよね…
そんな時、何を基準にして、どう判断すればいいのでしょう?
たとえば、恩師の子の万引きを目の当たりにしてしまったら…
あなたはその事を、恩師に言いますか?
あなたはある日、スーパーへ買い物に出かけました。
いつものように買い物をしていると、どこかで見たことのある男の子が目に入りました。
男の子は、あなたが尊敬している恩師のお子さんです。
お菓子売り場にいる男の子、離れたところから何気無く見ていると、男の子は陳列されていたチョコレートを手に取り、ポケットに入れました。
万引きです…
あなたは驚き固まっていると、男の子は何食わぬ顔で店の外へ消えてしまいました。
男の子は、あなたが尊敬する恩師のお子さんです。
近所では優等生で通っており、万引きをするような子だとは誰も思いません。
当然、恩師も我が子が万引きをするなんて思いもしないはずです。
さて、この場合、恩師に万引きのことを言うべきでしょうか?
言うと関係が気まずくなるから、言わざるべきでしょうか?
言うべきか言わざるべきか迷う時に考えるポイント
恩師のお子さんの万引き、言ったほうが良いのだろうけど、言うと「うちの子がそんな事をするはずがないだろ!」と怒られ、恩師との関係が壊れる可能性もあります。
世間的には、優等生の恩師の子がそんな事をするはずがないと考えると思います。
ですが、言わなければ、さらに非行が悪化してしまうかも知れません。
迷いますよね…
しかしこの場合、「本当の善とは何か」を考えれば答えが見えてきます。
本当の善とは何かを考える
正しい判断をするためには、「相手の立場になって考える」ことです。
もしも、自分が万引きした子の親なら、放っておいてほしいと考えるかどうか?
自分の子の万引きを放置したことで、問題が大きくなってほしくないですよね?
親であれば、取り返しのつく段階で非行をやめさせたいと考えます。
もしも、相手の立場になって考えた時「自分だったら言ってもらいたい」と思うなら、勇気を出して言うべきです。
「恩師に嫌われたくない」という理由で黙っているのであれば、それは自分可愛さの弱さです。
しかし言うからには、言ったあとのサポートも必要です。言いっ放しで丸投げするのではなく、最後まで寄り添う覚悟が必要です。
もしも、万引きした子が自分の子供なら、最後まで寄り添いますよね。それと同じで、伝えるなら寄り添う覚悟を持たなければなりません。
とは言え、恩師が寄り添うことを拒否されるのであれば、それ以上踏み込むことはありません。拒否されても無理に踏み込むのは、自分を納得させたいわがままになりますので、引き際も肝心です。
言って嫌われたらどうする?
言ったことによって、関係が悪くなることもあるでしょう。
ですが、相手を思ってした行為なら不利益をこうむったとしても、ひるむことはありません。
もし「うちの子がそんなことするはずがないだろ!」と怒られたら、「余計なことを言って申し訳ございませんでした…」と引き下がれば良いのです。
恩師を思い伝えたという動機は間違いではありません。
相手の為を思い「言うべきだ」と結論付けたなら、不利益をこうむっても、正しいことをしている自分の軸をぶれさせないことです。
自分の立場をかえりみず、相手の為を思ってした行動は「大我の善意」です。
人生には、言うべきか、言わざるべきか迷う時が必ず訪れます。その時は、自分の立場で考えるのではなく、「相手の立場」になって判断した事が正しい決断になります。
言って嫌われたとしても、自分の立場を顧みず、相手の為を思ってしたことは、今は分かってもらえなくても、必ず分かってもらえる日が来ます。
本当の善とは何かを考え、言うべきことは勇気を出して伝えましょう。