「挫折を味わう」これは人の成長には欠かせない要素であり、とても大切な経験であると言えます。
そのため、この記事では「挫折を経験し乗り越えてきた人の体験談」と「挫折を経験する大切さ」についてお話をさせていただきたいと思うのですが、その前に少し私自身の想いを…。
かつての私は「失敗することは恥だ」と思っていました。
しかし今では「挫折のない人生など生きる価値がない!」と断言できるくらいに、挫折が貴重な経験となっています。
それはなぜか?
「挫折を経験して大きく成長することができたから」です。
挫折は決して「恥」などではありません。挫折の先には必ず成長が待っていますので、その真理を理解し「苦しい挫折」から「意味のある挫折」へと変換しましょう。
それではまず「経験談」のお話から。
挫折の人生を乗り越えてきた人達の体験談
営業の仕事で挫折
営業の仕事をしていた頃、営業成績も支店内でトップ、関東の店舗でもトップの成績だった事があります。
ある時、プライベートも上手くいかなくなり、仕事も上手くいかず、営業成績がどんどん悪くなり、負のスパイラルに陥りました。
初めての挫折感を味わいましたが、そういう状況でもがむしゃらに頑張って自分の勘を取り戻さないと!と奮起しました。
くよくよしていても何も変わらないので、気持ちを切り替えて頑張るしかないです。
人生順調に進んできた人も、いつどこで状況が悪くなり挫折するか分かりません。
その時に大切なのは、この女性のように「くよくよしていても仕方がない」と切り替えて頑張ることです。
初めての挫折に大きなショックを受けたとしても、乗り越えるしか前に進む方法はありません。
そもそも、人生は「順風満帆にいかない!それが当たり前!」と思っている方が問題と対峙できます。
「挫折するのが人生」それを踏まえた上で乗り越えましょう。
教員になり初めての挫折
私は以前、東京都で美術の教員として採用され、特別支援学級で指導をしていました。
私は大学、大学院と浪人をすることなく第一志望校に受かり、教員採用試験も一発で受かったので挫折を知らなかったのですが、生まれて初めて挫折を味わったのがこの教員という仕事です。
あまりにもつらくて、精神を患いわずか一年で辞めてしまいました。
その時も、辞めるかどうかすごく迷いましたが、体が受け付けなくて辞めざるを得ませんでした。
ものすごく悔しい思いをしましたが、友人から「あなたは今まで挫折を知らなかったんだよ。挫折は良い経験だよ。」と言われて救われました。
挫折は悪いことに思われがちですが、あきらめも肝心という言葉もあるように、悪くとらえる必要は無いのです。
私は、実際にあの時無理して続けなくて良かったと思っています。今は、自分の力に見合った希望の職に就くことが出来ています。
「初めての挫折」という貴重な経験をされました。
挫折は人を強くしますし、優しくします。
挫折を知らなければ天狗になり、打たれ弱く傲慢になります。
挫折を経験することは、人格向上には欠かせない重要な要素です。そして、挫折は人生の勲章です。
この話を読めば分かりますが、挫折を経験した当初は分からなくても、思い返せば挫折して良かったと思えることが人生には多々あります。
挫折は、決して無駄な経験ではありません。「その後の人生を良くするための出来事なんだ」を前向きに捉えましょう。
同居という挫折を克服
私には大好きな人がおり、その人と幸せな結婚生活を送ることが夢でした。
その人と結婚してすぐに、夫の両親と同居する流れになりました。
夫の両親は、身内でワイワイ楽しむ事が好きで、頻繁に近くに住む夫の姉家族を呼びます。
ところが夫は仕事が忙しく、家にはなかなか帰れないため私だけが参加することになります。
夫と幸せに過ごしたいという夢は破れ、気を遣う夫の家族とばかり始終一緒に過ごすという現実に悩まされ精神的におかしくなりました。
私はそのまま実家に戻り別居がスタート。理想の結婚生活はかなわず、完全に挫折しました。
仕事に出ることにした私は、職場の主婦の先輩たちに色々と話をきいてもらいました。
百戦錬磨の先輩主婦たちのアドバイスは決して慰めなんかではなく、具体的かつ、ふてぶてしいまでの義家族を扱う術でした。
それまで自分をずっと殺してきた私でしたが、教わった術を実行しようと思えるようになり、夫のもとへ戻ることができました。
今では挫折を乗り越え、結婚生活がとても幸せだと思えています。
思い描いていた結婚生活と現実とのギャップに挫折し別居となりましたが、ご主人のことを愛していたのでしょうね。別れる選択はされなかった。
その強い想いが、先輩達のアドバイスを素直に聞き入れ、実行するに至ったようです。
「挫折をしても諦めずに自分を変える努力をすれば、理想を実現できるんだ!」と希望を持たせてくれる話ですね。
大きな決意と勇気がいると思いますが、やる気になれば人は変われるものです。
運動の天敵「過呼吸」で挫折
中学校の頃、毎日サッカーをしていました。
はじめの頃は特に気にしてはなかったのですが、数ヶ月してから呼吸がおかしくなることが起きるようになりました。
日に日に悪化し、話すことも呼吸すらまともにできなくなっていきました。
苦渋の決断でしたが、続けていたサッカーを高校に上がるときに諦めることにしました。
頑張っても治らないことに嫌気がさして挫折をしました。
その後、昔の恩師に過呼吸は癖だと言われ、癖なら治せるはずだ!と思い、治す努力を始めました。
毎日、長距離を鼻呼吸だけで走る日々を約2年間休まずに続けました。
すると、気づいた頃には過呼吸は発生しなくなり、強靭な持久力だけが残りました。
かなりの荒治療ではありますが、どんなものも癖である以上は治せるものだと実感しました。
過呼吸の原因は人それぞれですが、逃げずに向き合い、治すために2年間も荒療治をされました。
それがきっかけで過呼吸がなくなり、強靭な持久力が身につき良かったですね。
どんな状況であれ、諦めなければ活路があることを証明してくれているような出来事だと思います。
挫折を経験しても、それを乗り越える強い意志さえ持てれば、乗り越えられるのだと思います。
完璧主義で心が折れた
大学時代、選抜メンバーを目指す中で完璧を求め過ぎたあまり、メンタルを壊してしまい大きく挫折。
その後2年間をかけて、従来の「完璧じゃなければらいけない」から「間違えてもいいや、やり直してもいいや」へと考え方を変えた結果、4年次に選抜メンバー入りを果たすことができました。
完璧を求めるばかりに、完璧でいられなくなるとメンタルをやられて挫折する。これは、頭の切れる方にありがちな話です。
この挫折を乗り越える鍵は、真逆の発想にあり、それを受け入れることで挫折を乗り越えられました。
完璧を求めず心に余裕を持つことは「自身のメンタル強化」だけではなく、人間関係にもいい影響を与えてくれます。
メンタルを壊し挫折した経験は、男性にとって人生を変える大きな出来事になったに違いありません。
挫折を乗り越えるには「現実を受け入れる柔軟性が必要である」と言えます。
借金で挫折を経験
私は過去に、失業して無職になってしまったので、生活費に困り、消費者金融から借金をするようになってしまいました。
借り入れ額は3社から計150万になってしまい、毎月の返済で生活は困窮を極め、強い挫折感に襲われました。
いくら働いて返済しても、利息ばっかり支払っているだけというのが何年も続きました。
もう最後は耐えかねて弁護士に相談して任意整理してもらい、苦労の末…何とか返済する事が出来、この苦難を乗り越えました。
借金をして挫折…お金が絡んだ挫折を私も経験しましたが、どうにもならなくなった時は「余計なプライドを捨てること」が挫折を乗り越える鍵になります。
借金苦を恥じ、誰にも相談できずに自ら命を絶つ選択をする人もいます。
窮地に追い込まれた時は、生きるための選択をする。この選択をすることで、挫折は必ず乗り越えられます。
そして、この経験は大きな成長になり、その後の人生に役立ちます。
挫折をしてどうにもならない時は「生きるためにどうすべきか」を考えて行動しましょう。
度重なる不幸で挫折
娘の大病や両親の死が重なり、うつ病になり教職員を退職、離婚に至りました。
職も家族も失ったこの頃が、人生で味わった最大の挫折です。
精神病院に入院するなかで障害者就労支援事業というもとを知り、退院してから介護福祉士を取り、実務を経験し、働きながら社会福祉士の資格を取りました。
挫折により経験したことと、これらの資格を元に福祉事業所の経営者となりました。
挫折を乗り越えられたのは、子供たちがいたからです。
別れた妻が三人の子供を連れて、亡父の仏壇に手を合わせにきてくれたことを聞き、子供たちに再びお金を渡したい、笑顔がみたい。それだけの一念でやってきました。
まだまだ安定した経営にはなってませんが、離れて過ごした息子を雇用し、娘を大学にやれるようになりました。
年商だけでいうなら、5000万円程度はあります。
多くの人が経験できないような挫折、はかり知れない大きな挫折と言えるでしょう。
私の方がこれより辛い挫折をしている!と言える人は少ないはずです。
これほどの挫折にも関わらず、生きることを選び、尚且つ未来を見据え資格をとり、年商5000万円の福祉事業所の経営者にまで昇り詰める偉業を成し遂げられました。
どんなに大きな挫折をしようとも、気力さえあればやり直しできると証明してくれています。
男性がこれほどの挫折を乗り越えたのに、あなたが乗り越えられないはずがありません。
挫折は、その人が乗り越えられるものしか与えられません。これが真理です。
気持で負けない限りは、必ず乗り越えられます。
打ち勝つ相手は、他の誰でもなく自分自身であると知り挫折を乗り越えましょう。
挫折を経験する大切さ
人生には挫折がつきものです。
挫折をした瞬間は「目の前が真っ暗になり人生が終わったかのような絶望感」を味わいますが、挫折をしたところで人生が終わる訳ではありません。
『失敗は成功のもと』という言葉のとおり、失敗は大切な学びです。
たくさんの喜怒哀楽を経験する中で人間性が向上します。
挫折を経験し努力で乗り越えた結果…喜びを知る。その過程こそが、人の成長には必要です。
失恋も離婚もリストラも借金も病気も、すべては人を成長させための経験にすぎません。
「喜」と「楽」だけを経験する人生なら、人はどれだけ傲慢になるでしょう。
挫折を味わい、辛い経験をするから人の気持、痛みがわかり、優しさと思いやりを持てるようになります。
挫折は、決して無駄な経験ではありません。
挫折は「大切な経験」と捉え、しっかりと向き合いましょう。
三度目の正直でいい
「三度目の正直」という言葉があります。
一般的に言われているのは「占いや勝負で、一度や二度は当てにならないが、三度目は確実であるということ」「物事は三度目には期待どおりの結果になるということ」です。
この”三度目の正直”という言葉をご存知の方も多いと思いますが、これは一度や二度の挫折は想定内とし、三度目の成功と考えて丁度いいという意味と捉えて良いのではないでしょうか。
一度や二度の失敗を経験するからこそ成功に繋がります。
挫折を乗り越え成功するためには、一度や二度の挫折でくじけてはいけません。くじけてしまえば、それまでになってしまい努力は実りません。
「挫折をバネにした結果、努力が実る」これがすなわち、因果応報です。
しかし現実には、何度挑戦してもダメな場合もあります。その時は「あなたに相応しい道は他にある」と受け入れ、道を変えるべきでしょう。
その場合でも、それまでの努力は無駄にはなりません。必ず何かの役に立つ時がきます。
挫折をすること、道を変えることは、決して無駄ではない認識を持ちましょう。
挫折を経験させたくない親心の間違い
自分のことなら挫折も良い経験になると言えるものが、我が子のことになると言えなくなる方も多いのではないでしょうか。
「我が子には苦労をさせたくない」という親心はわかります。
しかし、その想いが強すぎると子供の成長の妨げになります。
挫折を経験させないように、転ばぬ先の杖ばかりを渡せば、子供は挫折から学ぶことができません。
挫折を経験しないまま大人になれば、何かあった時に直ぐに潰れてしまい、苦難を乗り越える強さを持たない大人になります。
昔の子供は走り回って転び、手をついて顔をぶつけないようにすることが自然と身についていました。
しかし今では「走り回ったら危ない」としつけされ、転ぶ経験をしてこなかった子は、転んだ時に手を付けずに顔面を強打します。
子供も失敗することで、失敗から学んでいます。過保護になりすぎると子供の成長の妨げになりますので、分かっていても敢えて転ばせるくらいが丁度いいと言えます。
子供にも失敗する権利があります。失敗や挫折する権利を奪うことで、成長の妨げになる意識を持ちましょう。
「獅子の子落とし(=わが子に厳しい試練を与え、その器量を試すことで一人前に育てることができるという例え)」ということわざを思い出してみてください。
我が子に挫折を経験させたくないと思えば、何もかも守りたくなると思います。しかし、挫折することがわかっていたとしても成長のために見守るのも親の務めです。
挫折は、とても大切な経験です。
「どんなに挫折をしても人の成長に繋がる」という視点があれば、何一つ無駄にはなりません。
昔の人は「苦労の連続だった」と言いますが、その苦労は人の成長に必要不可欠であり、それこそが豊かな人生と言えます。
人生、何が起こるかわかりません。何が起きても生きていける強さは、挫折を経験しないと身につきません。
時には心を鬼にして、突き放しながらも見守るのが親の愛ではないでしょうか。
大失恋や離婚の挫折も無駄ではない
多くの人が、一度は味わうであろう挫折感の中に「失恋や離婚の挫折」があります。
しかし、それも人生の中で大切な経験であり失敗などではありません。
私も失恋や離婚を経験して挫折感を味わい、人生の汚点だと考えていた時期もありました。
別れの原因は様々ですが、相手の浮気が原因であった場合、誰でも「どうしてこんなことになってしまったのだろう…」と落ち込むと思います。
自分が浮気をしたわけではないのに、されてしまった場合は、相手のせいにして終わってしまいがちですが…それではいけません。
挫折を克服するためには「自分にも落ち度があったこと」を認めて受け入れる必要があります。
浮気をした相手が悪いと責めるお気持ちはわかりますが「浮気をされたのには自分にも落ち度があった」と認めること。
残念だけど仕方がないと立ち上がる人には、新たなチャンスが与えられます。
それが新たな恋愛になるか…仕事の成功になるか…人により異なりますが、苦難を乗り越えた人には必ず何かしらのチャンスがあるのがこの世の真理です。
挫折は、成功のチャンスと捉えましょう。
挫折感を克服するには執着を手放す
挫折感を克服するためには、依存や執着を捨てなければならない。
答えが出てしまったのなら、それを受け入れ執着を捨てなければ挫折を乗り越えることはできません。
例えば、「この人しかいない」と思っていた運命の人に別れを告げられてしまった。
復縁の余地がないのに想い出に囚われてしまえば、別れを受け入れることはできません。
しかし、こうした大失恋をした人でも、数年後に「あの時に別れていなかったら、今の人と出会えなかった」とおっしゃる方がたくさんいます。
恋愛に限らず、リストラに遭いお先真っ暗だった人が、数年後に「あの時、リストラされたおかけで今の仕事に就くことができました」と、暗い過去に感謝をしているケースもたくさんあります。
これらのケースは、気持ちを入れ替えて立ち上がったことによりもたらされた成功であり、この世の真理です。
挫折感を克服できないまま過去に執着し続けると、成功にたどり着くことが困難になります。
それはなぜか?
霊的真理の話になりますが、運命の人との別れも、リストラされたことも、挫折を乗り越え成長するという根本的な目的があるからです。
挫折から立ち上がれば、課題をひとつクリアしたことになります。課題をクリアすると何かしらのご褒美を頂けます。
どんな挫折を経験したとして無駄な経験ではなく、成功のための経験にすぎません。
挫折はチャンス
挫折を経験することは、チャンスでしかありません。
挫折を経験しない人生は、チャンスのない人生です。
よって「挫折感をどう克服するか」が課題であると言えますし、いずれにしても、挫折したからといって、投げやりになったり逃げてはいけません。
現実と向き合いどうすべきなのか?
挫折の経験には、どんな意味が含まれているのか?
冷静に考える必要があります。
どんな失敗にも必ず意味があり、チャンスに変わる何かがありますので「それを見い出す想像力を持つこと」が大切になります。
しつこくて申し訳ありませんが「挫折は天から与えられたチャンス」です。そのことをわかっていれば、挫折を経験した先にある喜びに希望を持つことができます。
人生に無駄な経験などひとつもありません。この事を念頭に、挫折に立ち向かいましょう。